子育てとMTGの記録 ~第九回 テーロス還魂記と緊急事態宣言~
前回記事は下記参照。
エルドレインは頭おかしいとよく言われるが、テーロスも大概ではなかろうか。
ことパイオニアにおいてテーロスが与えた影響はエルドレイン以上だと思う。
テーロス還魂記から発売1週間で開催されたMF名古屋のフォーマットはデバック期間を終えたばかりのパイオニア。
そこで勝ち上がっていたのはデバック環境のトップではなくテーロスで生まれた新たなアーキタイプがほとんどだった。
そしてそこで生まれた3つのコンボデッキが約半年間環境トップを走り続け、全て禁止になってこの世を去ていった。
オーコとむかむかが直接禁止になったエルドレインよりも3つのアーキタイプを葬り去ったテーロスの方が私は凶悪に見えた。
そして凶悪コンボが去った後のパイオニアをまたも半年間支配し続けるのが
大好きだった。
こいつに至ってはスタンからモダンまで禁止される始末で第二のオーコになりえた。
また、モダンにかなりのカードを送りこんでいる。
ヘリカスコンボが環境トップになったこともあったし影槍はサーガで大人気、ドライアドはアミュレットに就職しクロクサも元気いっぱいでクローティスもグルールムーンで見かける。
エルドレインも大概だが、こうしてみるとテーロスもパワー高いだろ。
と、前置きはさておきMF名古屋でパイオニアの環境がはっきりと定まり、さぁここから本格始動だ!っとなると思いきや…
そうあの日がやってきたのだ。
コロナウイルスの蔓延だ。
国内の第一発生の日付から2週間後がMF名古屋であったため、国内での大きなイベントへの規制もまだ明確になかった頃である。
開催期間中に会場近くの空港で症例が確認されたとかなんとかニュースになって、名古屋から帰ってきたショップの遠征組が2週間自宅待機していた。
コロナ問題はさておき、せっかくの盛り上がりを見せたパイオニアなのだが、MF名古屋の翌週以降、私が通うショップではパイオニアイベントに人が集まることはなくなった。
緊急事態宣言も公式の声明もまだ出ていない時期にも関わらず、皆が自粛を選択した。
私はMF名古屋の翌週とその次の週もショップに顔を出したが、誰一人来なかった。
時間の無駄なのでそれ以降行くのをやめた。
田舎の方は緊急事態宣言ってのが出るまでコロナ発症者がほとんどおらず、出ても大抵が都会からの移動者ばかりで危機感がほとんどなかった。
他のカードゲームはいつもと変わらず大会に人が集まっている様子を見て、MTGプレイヤーはしっかりしているなと思った。
いや、もしかしたらテーロスで劇的に環境が変わってしまったうえにコロナ出てるからわざわざ新しいフォーマットの競技デッキ作りたくなかったのかもしれない。
実際そのあと統率者で毎週かなりの人が集まっていると聞いた。
競技イベントは開けないけど交流会って名目でお店がなんやかんやするのは目をつぶるのか知らんがなぜか統率者に人が集まっていってパイオニアは飛び立つことすら許されなかった。
コロナの影響がまだ少なかった田舎でこのありさまなのだ。
ちなみにその後パイオニアが廃れた本当の理由は諸説あってよくわからない。
コンボ環境が揺るがないとか、相棒で色々あったとか、紙できる機会が少ないのに大量BANで一気に人が離れたとか色々言われているが正直よくわからない。
とにかく私は紙オンリーのため、またもや通うショップを変えることになった。
次は日曜の18時からパイオニアを開催しているショップだ。
日曜ってこともあって早めに夕飯を終わらせて、流石にお風呂までは難しいので妻にお願いして出かけるようになった。
1歳半くらいなのでお風呂もそこまで難しくないのが救い。
さて、新たに行き着いたショップで自分を含め6人での開催になったのだが、今まで通っていたショップで一度も見かけたことない人たちしかいなかった。(その日いなかっただけで後日他のショップでよく会う人も参加していた)
そして、いざ始まってみれば見たこともないようなオリジナルデッキのに謎カードのオンパレード。
自分はその日スピリットを持ち込んでいたのだが、環境コピーで完成度もカードパワーも違ってあっさり3-0した。
カジュアル寄りの常連が大半を占め、競技志向の人があまり行かないお店噂だったのだが、本当でした。
逆にこのショップの常連さんはほとんど他のショップに行かないとのことで、曰くあっちはガチ勢だからとかなんとか。
意外と市内で住み分けされてんだなぁって感想。
もちろん競技志向の人も何人かいて、いろんなところに顔出す人もいるが。こっちのショップ来るときはそれなりのデッキ持ってきているみたいだ。
なんとなく市内の情勢というか、各ショップに出没する人とその人たちのプレイスタイルと腕前がここにきてようやく把握できた。
私はお構いなしに自分のプレイスタイルを貫いてヘリカスとかインバーターを遠慮なく持ち込んだ。
時々競技志向の人もやってくるしちょうどよかった。
ただそれもあまり長く続かず、自粛や緊急事態宣言で全国的にてんやわんやしていたのでショップでイベントが開催されることもなく、そもそも不要な外出はNGとなった。
紙をしばけなくなっただけでなく、外出そのものがNGなのだ。
これにはお子様がいるご家庭の方々は大いに頭を悩ませただろう。
休校休園と子供の遊び場の封鎖だ。
平日も休日も関係なく日中子供が家にいる、大きな公園や子供向け施設、デパートのキッズスペースなんかもまるごと封鎖。
大きい子ならまだしもそうでなければ一日家で遊べって無理があるだろ。
私はエッセンシャルワーカーに分類されており、そもそも田舎は全国規模の大手かベンチャーじゃない限りテレワークなんざできない。
代わりに特別休暇とっていいってことになったが日中一人で家の中で子供の面倒を見るのははっきり言って困難を極めた。
まず、自分に1歳児目線のボキャブラリーがない。
外で遊ぶとかならまだなんとかなるが家の中でお絵描きするとかおもちゃで遊ぶとか何やっていいかわからない。
絵本だって単調なやつ何回も読めとかシール遊びとか8時間耐久無理よ。
Eテレもアンパンマンも興味を持ってくれなかったし。
それでもYouTubeは食い入るように見てた、ずっととはいかないが。
とにかく午前おやつ、おひるごはん、お昼寝、買い物、午後おやつでなんとかごまかすしかない。
休日は妻がうまいこと遊んでくれるから助かったが平日一人の時はそれはもうどんな仕事よりも実力不足を感じた。
私が今までやっていた育児とはなんだったのか。
子供の世話をしていただけで真に向き合っていなかったのじゃないか。
不甲斐ない気持ちになったが私は明確な意味やゴールをもたない遊びができる人間ではない、諦めてくれ息子よ…ちなみに今3歳になって遊びのバリエも広がったが付き合いきれなくなったらYouTubeを見せてなんとかしているがはは。
YouTube見せすぎて事あるごとにせがまれるようになったので要注意。
おかげでEテレ、ドラえもん、仮面ライダーとかほとんど見てくれなくなった。
youtubeは子供が自分で操作できない上に広告や動画時間短くて操作をいちいちせがまれてめんどくさい。
あとこれは親のエゴなんだけど小さいうちは素人のごっこ遊びじゃなくてプロが作った作品見てほしい。
kids系チャンネルの動画作りは素直にすごいが色眼鏡で中身空っぽにしか思えないので見せたくない。
スミジロウになりきってチープな寸劇するやつ、アンパンマンのおもちゃに変なキャラつけしてこれまた寸劇するやつ。
そんなん見るなら本物みて自分でごっこ遊びしてほしい…となってしまう親心。
スミジロウは1歳児どころか未就学児に見せていいもんでもないだろうから仕方ないが、アンパンマンはせめて本物みてくれ…なんでバイキンマンがアンパンマンお風呂に誘って一緒に入ってるんだよてゆうかなんでお風呂入るんだよお前ら原作見たことねぇのかよアンパンマン石鹸のパッケージだけの世界だろうがよてゆうかお風呂入りすぎだろお前らほとんどの動画でお風呂しか入ってないじゃないかなんだこのチャンネル。
と、色々大変な時期に自分のストレス発散の場もなくなり困りはてていたのだが、またも救世主が現れる。
Discordを使った所謂ネット対戦だ。
スマホ、Webカメラ、PC、タブレットあるものを組み合わせれば簡単に始められるとっても便利な対戦ツールだ。
パイオニア対戦できる方をTwitterで募集をかけてみたり、大手Discord鯖に参加したりでネット対戦デビューを果たしたのだが、これがもう本当に快適快適。
今まで週一回のイベント参加でしかほとんど遊べていなかったMTGがなんと毎日家にいながら練習できてしまうではないか。
これ以降自分のなかで格段にレベルが上がっていってる実感が産まれた。
そりゃまだまだ至らない部分はあるが、負けたゲームの何が悪かったのか、プレミの有無がだんだんわかるようになってきた。
そして緊急事態宣言の最中にイコリアが発売される。
プレビュー段階でのり塩とか散々な言われようだったのに始まってみれば上から下まで大相棒時代が幕を開けていた。
~続く~