子育てとMTGの記録 ~第九回 テーロス還魂記と緊急事態宣言~
前回記事は下記参照。
エルドレインは頭おかしいとよく言われるが、テーロスも大概ではなかろうか。
ことパイオニアにおいてテーロスが与えた影響はエルドレイン以上だと思う。
テーロス還魂記から発売1週間で開催されたMF名古屋のフォーマットはデバック期間を終えたばかりのパイオニア。
そこで勝ち上がっていたのはデバック環境のトップではなくテーロスで生まれた新たなアーキタイプがほとんどだった。
そしてそこで生まれた3つのコンボデッキが約半年間環境トップを走り続け、全て禁止になってこの世を去ていった。
オーコとむかむかが直接禁止になったエルドレインよりも3つのアーキタイプを葬り去ったテーロスの方が私は凶悪に見えた。
そして凶悪コンボが去った後のパイオニアをまたも半年間支配し続けるのが
大好きだった。
こいつに至ってはスタンからモダンまで禁止される始末で第二のオーコになりえた。
また、モダンにかなりのカードを送りこんでいる。
ヘリカスコンボが環境トップになったこともあったし影槍はサーガで大人気、ドライアドはアミュレットに就職しクロクサも元気いっぱいでクローティスもグルールムーンで見かける。
エルドレインも大概だが、こうしてみるとテーロスもパワー高いだろ。
と、前置きはさておきMF名古屋でパイオニアの環境がはっきりと定まり、さぁここから本格始動だ!っとなると思いきや…
そうあの日がやってきたのだ。
コロナウイルスの蔓延だ。
国内の第一発生の日付から2週間後がMF名古屋であったため、国内での大きなイベントへの規制もまだ明確になかった頃である。
開催期間中に会場近くの空港で症例が確認されたとかなんとかニュースになって、名古屋から帰ってきたショップの遠征組が2週間自宅待機していた。
コロナ問題はさておき、せっかくの盛り上がりを見せたパイオニアなのだが、MF名古屋の翌週以降、私が通うショップではパイオニアイベントに人が集まることはなくなった。
緊急事態宣言も公式の声明もまだ出ていない時期にも関わらず、皆が自粛を選択した。
私はMF名古屋の翌週とその次の週もショップに顔を出したが、誰一人来なかった。
時間の無駄なのでそれ以降行くのをやめた。
田舎の方は緊急事態宣言ってのが出るまでコロナ発症者がほとんどおらず、出ても大抵が都会からの移動者ばかりで危機感がほとんどなかった。
他のカードゲームはいつもと変わらず大会に人が集まっている様子を見て、MTGプレイヤーはしっかりしているなと思った。
いや、もしかしたらテーロスで劇的に環境が変わってしまったうえにコロナ出てるからわざわざ新しいフォーマットの競技デッキ作りたくなかったのかもしれない。
実際そのあと統率者で毎週かなりの人が集まっていると聞いた。
競技イベントは開けないけど交流会って名目でお店がなんやかんやするのは目をつぶるのか知らんがなぜか統率者に人が集まっていってパイオニアは飛び立つことすら許されなかった。
コロナの影響がまだ少なかった田舎でこのありさまなのだ。
ちなみにその後パイオニアが廃れた本当の理由は諸説あってよくわからない。
コンボ環境が揺るがないとか、相棒で色々あったとか、紙できる機会が少ないのに大量BANで一気に人が離れたとか色々言われているが正直よくわからない。
とにかく私は紙オンリーのため、またもや通うショップを変えることになった。
次は日曜の18時からパイオニアを開催しているショップだ。
日曜ってこともあって早めに夕飯を終わらせて、流石にお風呂までは難しいので妻にお願いして出かけるようになった。
1歳半くらいなのでお風呂もそこまで難しくないのが救い。
さて、新たに行き着いたショップで自分を含め6人での開催になったのだが、今まで通っていたショップで一度も見かけたことない人たちしかいなかった。(その日いなかっただけで後日他のショップでよく会う人も参加していた)
そして、いざ始まってみれば見たこともないようなオリジナルデッキのに謎カードのオンパレード。
自分はその日スピリットを持ち込んでいたのだが、環境コピーで完成度もカードパワーも違ってあっさり3-0した。
カジュアル寄りの常連が大半を占め、競技志向の人があまり行かないお店噂だったのだが、本当でした。
逆にこのショップの常連さんはほとんど他のショップに行かないとのことで、曰くあっちはガチ勢だからとかなんとか。
意外と市内で住み分けされてんだなぁって感想。
もちろん競技志向の人も何人かいて、いろんなところに顔出す人もいるが。こっちのショップ来るときはそれなりのデッキ持ってきているみたいだ。
なんとなく市内の情勢というか、各ショップに出没する人とその人たちのプレイスタイルと腕前がここにきてようやく把握できた。
私はお構いなしに自分のプレイスタイルを貫いてヘリカスとかインバーターを遠慮なく持ち込んだ。
時々競技志向の人もやってくるしちょうどよかった。
ただそれもあまり長く続かず、自粛や緊急事態宣言で全国的にてんやわんやしていたのでショップでイベントが開催されることもなく、そもそも不要な外出はNGとなった。
紙をしばけなくなっただけでなく、外出そのものがNGなのだ。
これにはお子様がいるご家庭の方々は大いに頭を悩ませただろう。
休校休園と子供の遊び場の封鎖だ。
平日も休日も関係なく日中子供が家にいる、大きな公園や子供向け施設、デパートのキッズスペースなんかもまるごと封鎖。
大きい子ならまだしもそうでなければ一日家で遊べって無理があるだろ。
私はエッセンシャルワーカーに分類されており、そもそも田舎は全国規模の大手かベンチャーじゃない限りテレワークなんざできない。
代わりに特別休暇とっていいってことになったが日中一人で家の中で子供の面倒を見るのははっきり言って困難を極めた。
まず、自分に1歳児目線のボキャブラリーがない。
外で遊ぶとかならまだなんとかなるが家の中でお絵描きするとかおもちゃで遊ぶとか何やっていいかわからない。
絵本だって単調なやつ何回も読めとかシール遊びとか8時間耐久無理よ。
Eテレもアンパンマンも興味を持ってくれなかったし。
それでもYouTubeは食い入るように見てた、ずっととはいかないが。
とにかく午前おやつ、おひるごはん、お昼寝、買い物、午後おやつでなんとかごまかすしかない。
休日は妻がうまいこと遊んでくれるから助かったが平日一人の時はそれはもうどんな仕事よりも実力不足を感じた。
私が今までやっていた育児とはなんだったのか。
子供の世話をしていただけで真に向き合っていなかったのじゃないか。
不甲斐ない気持ちになったが私は明確な意味やゴールをもたない遊びができる人間ではない、諦めてくれ息子よ…ちなみに今3歳になって遊びのバリエも広がったが付き合いきれなくなったらYouTubeを見せてなんとかしているがはは。
YouTube見せすぎて事あるごとにせがまれるようになったので要注意。
おかげでEテレ、ドラえもん、仮面ライダーとかほとんど見てくれなくなった。
youtubeは子供が自分で操作できない上に広告や動画時間短くて操作をいちいちせがまれてめんどくさい。
あとこれは親のエゴなんだけど小さいうちは素人のごっこ遊びじゃなくてプロが作った作品見てほしい。
kids系チャンネルの動画作りは素直にすごいが色眼鏡で中身空っぽにしか思えないので見せたくない。
スミジロウになりきってチープな寸劇するやつ、アンパンマンのおもちゃに変なキャラつけしてこれまた寸劇するやつ。
そんなん見るなら本物みて自分でごっこ遊びしてほしい…となってしまう親心。
スミジロウは1歳児どころか未就学児に見せていいもんでもないだろうから仕方ないが、アンパンマンはせめて本物みてくれ…なんでバイキンマンがアンパンマンお風呂に誘って一緒に入ってるんだよてゆうかなんでお風呂入るんだよお前ら原作見たことねぇのかよアンパンマン石鹸のパッケージだけの世界だろうがよてゆうかお風呂入りすぎだろお前らほとんどの動画でお風呂しか入ってないじゃないかなんだこのチャンネル。
と、色々大変な時期に自分のストレス発散の場もなくなり困りはてていたのだが、またも救世主が現れる。
Discordを使った所謂ネット対戦だ。
スマホ、Webカメラ、PC、タブレットあるものを組み合わせれば簡単に始められるとっても便利な対戦ツールだ。
パイオニア対戦できる方をTwitterで募集をかけてみたり、大手Discord鯖に参加したりでネット対戦デビューを果たしたのだが、これがもう本当に快適快適。
今まで週一回のイベント参加でしかほとんど遊べていなかったMTGがなんと毎日家にいながら練習できてしまうではないか。
これ以降自分のなかで格段にレベルが上がっていってる実感が産まれた。
そりゃまだまだ至らない部分はあるが、負けたゲームの何が悪かったのか、プレミの有無がだんだんわかるようになってきた。
そして緊急事態宣言の最中にイコリアが発売される。
プレビュー段階でのり塩とか散々な言われようだったのに始まってみれば上から下まで大相棒時代が幕を開けていた。
~続く~
子育てとMTGの記録 ~第八回 エルドレインとパイオニアの制定~
前回記事は下記参照
前置きするが、今回は特に家事育児で思うことはなかったので何も書きません。
子育ては相変わらずだが諸々落ち着いてとくにカードへ行くことに何か変化があったわけではないので、その辺は次回で。
エルドレインの直前、TOKYO出張の折、初めて晴れる屋TCへ突撃した。
時間もそんなにないため早朝モダンってやつにでて、そこで青白スピリットを初回し。
晴れる屋も初めてだったけど英語圏の人と対戦したのも初めてでTOKYOはすげぇやって改めて感じた。
隙間時間に対戦しにいけるっていいな…
この頃なぜかいつも行くショップからモダンイベントが消えていた。
さて、エルドレインは前評判以上にすごいセットだった。
プレビュー段階でむかしむかしはモダン絶対ダメだろって言われていたし本当にダメだった。
あの最強PWオーコの前評判が大したことなかったのをよく覚えている。
予約価格も2500円と神話PWあるある。
モダンでも使われそうなのが、借り手、むかむか、エムリーあたりだろうなって感じだったので特に予約しなかった。
そして始まる食物の秋
上から下までオーコまみれ、スタンは原野VSオーコのはずがなぜか原野だけBANされる。
おかげでオーコ一色になりスタンで速攻禁止。
そのあとレガシーまでまるっと禁止になって最強PWの称号を手に入れた。
むかむかもモダンまで禁止
その他4枚がスタンで禁止になるなど
計6枚の禁止カードを輩出したとんでもセットだった。
スタンやってなくてよかった。
と、禁止云々の前に、エルドレイン発売から約3週間後くらいになるのだが
新フォーマット:パイオニアがある日突然制定された。
衝撃的だった。
有効色フェッチを禁止したマジックオリジン以降の通常セットのみで構成されるエターナルフォーマット。
私のような新規勢には朗報オブ朗報。
夜間の告知だったので、翌朝開店と同時にショップへ駆け込みモダンに居場所が無く見るも無残なカスレア同然の価格をつけられていたかつてのトップレア達をしこたま買い漁った。
ショップも正直混乱していたと思う。
開店同時だったのでMTG担当ではない店員さんが対応していたのだが、その時は朝から在庫がよく売れるなぁぐらいにしか思っていなかったろう。
この辺はなぜか1000円以上で粘ってた。
パイオニア制定からMF名古屋まで間はデバック期間と呼ばれていて、公式が必要であれば毎週禁止改訂を行うと宣言していた。
本当に制定から約3か月間、毎週と言わないまでもBANBAN禁止カード送りが出るので様々なカード相場が乱高下を繰り返していた。
ウギンは再録前ともあって1万円に到達していた。
モダン参入を決意していた私は急遽舵切、バイアルやモダホラのカードを手放してパイオニアにオールインすることに決めた。
最初に青白コンを組んでみたもののデバック期間に握るのはさすがに無理があって思うように勝てなかったので即解体。
原野を握って禁止、バントカンパニーにオーコ入れて禁止、最後はエルドラージランプとモダンからおさがりして来た青白スピリットを握っていた。
とにかくデバック期間は禁止になるから組まないじゃなくて、どうせ禁止になるからその前に使ってさっさと売り払おう、むしろどんどん禁止にぶちこんでやろうぜみたいなとんでもないお祭り状態で、それはそれで楽しかったし、やはり禁止になるデッキはいとも簡単に3-0する。
前回浪費がどうこう言っていたが結局パイオニアであれこれ散財した。
ローテに向けてカードを大量にうってしまったのが本当にもったいなくて、パイオニアで再び値がつくようになったものがいくつかあったのだ。
エルドレイン発売後じゃなくてこうゆう話はローテ前に出しとけよと文句の一つも言いたくなるってもんよ。
通っていたお店は結局ほとんどスタンダードしか開いてくれなかったので、車で20分かかる別のお店に通うことにした。
毎週水曜日の19時半からパイオニアの練習会と称したイベントが開かれており、以降は週に1度だけそのイベントにでかけることになった。
禁止になるカードばかり使っていたからこの平日イベントで負けることがほぼなくて、なんだか勘違いしてしまいそうになった。
スタンダードは禁止連発でほとんど人が集まってなかったと聞いて、かなり人がパイオニアにお熱になってくれていた。
そんなこんなでテーロス還魂記のプレビューが始まるころにはパイオニアはデバック期間を終え、その発売とMF名古屋をもって本格始動を…
とならなかったのは世界情勢があの日から一変してしまったから。
次はテーロス環境
~続く~
子育てとMTGの記録 ~第七回 M20環境~
前回記事は下記参照
モダンイベント参加し始めたころから少しだけ時間が戻る。
M20環境だ。(ロンドンマリガンが施工された時期でもある。)
基本セットはカードパワー低くなるし灯争大戦、モダホラときてそんな目玉カード早々ないだろっておもっていたんだけど、今となってはとんでもないセットだった。
ホガーク禁止前で墓地対策カードがとんでもなく高額だったのだが、虚空の力戦が神聖の力戦等と一緒に再録され見事な崖を形成した。
再録以外も強力で、夏の帳、死者の原野、裏切りの工作員はスタンダードおよび下環境で禁止カードになるくらいだ。
現役のカードと言えば血王ソリンと睡蓮の原野はパイオニアで大人気のカードだし、霊気の疾風は青のサイドでよく見かけるしエルフの開墾者はレガシー需要があるとか。
既にモダンに漬かり気味だった私は原野シフト、シミックフラッシュ、シミックネクサスを数回プレイする程度で特に高いシングルを買わずに手持ちで遊べそうなデッキをチョイスすた。
M20環境のメタは最終的にケシスコンボが頭一つ抜けて原野シフト、ネクサス系のコンボ環境でコンボ成立前に殴れる吸血鬼か赤単、その下に置物触りながら殴れる緑単かグルールがいた。
ケシスコンボはローテに巻き込まれるカードが多すぎた上にモックスアンバーがかなり高額になっていたし、吸血鬼もイクサランのカード多いしでどちらも握りづらい、他のコンボはケシス相手にどうしようもないので早々にスタンダードを切り上げることにした。
後述するプロモパックと日本選手権もあってFNMだろうがなんだろうがケシスコンボまみれになっていたのでこの選択は正しかったように思う。
確かM20からイベント参加者にプロモパックが配布されるようになった。
全てFOILのプレミアムプロモ1パック、ノーマルプロモが数パックイベントごとに設定されており、お店の規模によるが、イベント参加者が少ない日は全員にいきわたるがそうでない日は勝ち数順で配布される、今の仕組みとそこまで変わらないはずだ。
ただM20で配られていたプロモパックはこの後毎シーズン配られることになるプロモパックと一味違っていた。
プレミアム、ノーマル問わず25%の確率で、
絵違いPWが1枚封入されている
ノーマルはともかく、プレミアムプロモは全てFOILなので刻印付とはいえ灯争大戦のパックを剥くよりもはるかに高い確率で光る天リリ、ナーセットちゃん、ニッサちゃんが手に入るのだ。
当時フリマアプリではこのプロモパックが7~8000円くらいで取引されていたのでFNMだろうがなんだろうがみんなガチで勝ちを目指していたのだ。
私は環境初期に数回プレミアムプロモを手に入れたので概ね満足してスタンから離れることができた。
前回記事でも書いたがM20環境中はホガークの夏とその禁止があって私は次のモダンデッキ、青白スピリットを組むための資金繰りを兼ねてカードの整理を行っていた。
実際に青白スピリットが組みあがったのはエルドレイン発売直前なのだが、それまで不要なカードをとにかく売りさばいた。
ローテ後も残るカードはいったん全てキープすることにした、環境がどうなるかわからないのでどんなカードも急騰する可能性を秘めている。
ローテ落ちするカードは全部手放した。
イクサラン~M19のカードだ。
ただ手元に残すものもいくつかあって、5ハゲ、アズカンタの探索、チェックランドは残した、特にハゲはモダンで既に採用されているカードだったのでこのまま青白コンで使うこともあるだろうと。
手放したカードで良い印象が残っているものだけ挙げると、ネクサス、ボーラスなんかは買った時以上の値段で売れた。
ネクサスは一時期モダンで使われていたのでわかるが、ボーラス当時も今も本当にイラストだけでここまでやってきているのがすごいと思う、統率者需要でもあるんだろうか。
それよりも悲しい印象の方が強く残っている。
ベナリア史、再燃するフェニックスは全盛期3000~4000円だったのに最終的に値段がつかなかった。
レインジャー、暴君、6ヴラスカ、ヴ辱も2000円以上するカード達になんの価値もなくなった。
フリマアプリで買い手がつかないからお店に持ち込んだのだが、箱の中身まるごとで2000円になりますといわれたのだ。
とにかく1BOXの中に大量のレア、神話を仕分けるのも面倒なのでぶち込んでもっていった。
ただ、環境にいたカード達だけは別分けしてわかるようにもっていったのに、どれも扱いきれないので値段つけられませんと言われた。
都会の大型店や専門店ならいざ知らず、この時は統率者需要って言葉もメジャーじゃなかった時代なので、もうほんとはいそうですかって感じで引き取ってもらった。
田舎のMTG取扱店には特価販売もなければ高額買取もないのだ。
そもそもMTG人口が他のカードより少ないから仕方ないね。
余談になるが所謂最近のポケカバブルの時、私も便乗してポケカを少しはじめ、パックから出た高額のイラスト違いカードを持ち込んだりしたのだが、ネットで打ち出されている高額買取って金額の半分の値段もつけてもらえなかった。
田舎に高額カード置いても買う人いないし、ネットより安く店頭に並べることできないからと。
在庫抱えるよりお店側も別の高額買取しているお店に売りに出すだけと言っていた。
たしかにフリマサイトで売ったり、ネット買取すればもっとちゃんとした金額になったかもしれないが、数が多すぎる。
商売しているわけではないし、本当に当時はスタンダードとモダンのパワーの乖離がすさまじかったので価値が無いのも納得してしまう。
環境で活躍したカードでも9割以上が無価値になってしまっていた。
後日この選択が大きな誤りとなった。
そう、パイオニアの制定なのだが、この時まだ知る由もなかった。
約1年スタンダードを追いかけてきて、資産価値のないものにどれだけお金をかけてきたのか振り返ってひどく後悔した。
子供におもちゃとか本とか買ってあげた方がはるかにましだろうて、交際費とも価値が違うし。
子供と遊ぶことがメインだからって服もGUユニクロが多くなっており、おしゃれ着はほとんど手元から消えていた。
世の中お金のかからない趣味ばかりじゃないし、資産として手元に残るものが正しいってわけじゃないこともわかるが、家庭内で自分だけがこんな浪費をしていい道理がない。
カードを売って買って出費を抑えながら楽しめるもんだと思っていたが、自制の利かなさと環境ごとにカードを処理する覚悟が足りなかった。
短期間でメタがぐるぐる回っているとトップメタを都度解体することもできないし、デッキを理解する前に別のデッキを握ってしまう。
色々あったが、自分のライフスタイルとスタンダードはひどく相性が悪いってことがよくわかった。
富豪であれば解決できたかもしれない。
同様にアリーナも触らなくなった。
スタンの練習程度にしか使っていなかったしラダーできるほど家の中で時間があるわけでもない。
子供が寝るまで何もできないのだ。
平日はともかく休日だからといって自由に家の中で過ごせることもない、家の中で子供のレベルに合わせた遊びを続けられるほどキャパが無いのであった。
なので休日は朝早くからお出かけをする⇒昼食を作って食べる⇒みんなでお昼寝する⇒夕飯のお買い物にでかける⇒夕飯作って食べる⇒お風呂入って寝かしつけ。
だいたい21時くらいに終わって23時には就寝の準備。この間に洗濯干しまで終わらせる。
とにもかくにも時間が足りないのだ。
こうしてモダンに金をかけ始めてしまったが売れば補填できる点がとにかく良心の呵責を軽くしてくれた。
次はエルドレイン環境とパイオニアの始まり
~続く~
子育てとMTGの記録 ~第六回 モダンホライゾン~
前回記事は下記参照
モダホラ発売に伴いモダン環境への移行を決意した私が最初に選択したデッキはマーフォークだった。
とにかく比較的安価でバイアルを使いまわせばいいと思っていたからだ。
レン六、先輩、ウルザ、否定の力、基本土地フェッチ、キャノピーその他もろもろと強力なカードぼんぼんプレビューされるにつれ地方の店舗では発売当日のBOX予約が早々に締め切られ、2次入荷分なるなど灯争大戦に続き大変な盛り上がりを見せていた。
自分も2次入荷分でBOXをゲットして中々の引き具合に満足した。
…モダンに移行して出費と損失を抑えるはずが普通にモダンのカードを買ってしまって出費を抑えることが叶わなかった。
それからはスタンのイベントに行く頻度を減らして新たに開催されるようになったモダンイベントに通うことにした。
都合がいいことにモダンイベントは土曜日の夜19時からだったので妻と息子からのヘイトが下がった。
息子も1歳になるころで、離乳食から普通の食事に切り替わりしっかりしたものを食べるようになっていた。
とにかく子供用の食事の用意と食べさせることに時間がかかり平日夜に出かけるハードルがグンっと上がった。
大人と完全に同じものが食べれるってわけではないので焼いた肉にサラダ添えればOKってことはないし、味付けも薄味ベースで香辛料も扱いづらい。
別に辛党ではないが唐辛子とかコショウとか熱いのとかピリッとした感じをほとんど作れなくなるのでレパートリーが単調になる。
お肉もひき肉が多くなるし魚は工夫しても食べないしでとにかく、手をかけても食べない!
色々気を使っても何も食べないんだが、市販のウインナーとかチキンナゲットとか出来合いのものはバクバク食べるのでもうどうでもいいやってそれらに頼ることにした。
ただ、どうやって野菜をしっかり食べさせるかは常に悩んだ。
メインは出来合いでいいが毎日ってわけにもいかないし野菜はしっかり取らせたい、とにかく様々なレシピを試したが、何をやっても食べるものはおかわりするぐらい食べるし、食べないものは食べない。
食べたと思っても次に出したときは食べない。
白米すら食べないことも頻繁にあったが、その場でおにぎりを握ってあげたりなどとにかく楽しい雰囲気を作ってあげるなど、調理に関係ない方法で食べさせる作戦が有効な場合も多かった。
なんだかんだデザートで釣る作戦が一番有効だった。
その辺り物わかりのいい子で助かった。
そんな背景で急かしてご飯たべさせるわけにいかなので、土曜日の夜ってのは大いに助かった。
で、スタンをほどほどにモダンに通うようになったのだが、カードを知らなすぎることもあって思うように勝てなかった。
全く勝てないわけじゃないが勝ち越すことがたまにあったくらいで、でもそれでいい。
トップメタを握っているわけじゃないから気負わず楽しめるし、ここから覚えればいい。
モダンは良い、Tier3だろうが隙をついて勝利をかっさらうだけの殺意がどのデッキにも搭載されているので絶対全然勝てないなんてことがない。
ただ、悪い癖で勝てないとすぐに別のデッキを握りたくなってしまって、そのまま赤単フェニックスを組んだ。
フェッチなしに組めるってのとフェニックスがモダンでしか使われなくなってちょっと値下がりしていたので勢いで買った。
気づけば灯争大戦環境も終わりに近づき、M20環境に向けてスタンをお休みしてモダンのイベントだけ出ていた。
この後M20環境のお話になるのだが、それはまた次回。
とにかくモダンで遊び始めて魚⇒赤単フェニックスとデッキを変え、少ないながらもモダンを何度かプレイしていたのだが、そうこの時期はちょうど夏なのだ。
ホガークの夏
真剣にモダンに取り組んでいたわけではないので環境をしっかり覚えているわけではないのだが、とにかくホガークヴァインでモダンは壊れていた。
マイコカーンとかも台パンものだったがホガークが突き抜けていたはず。
モダホラ発売から2か月半らしいが、ホガークがモダンで禁止された。
ついでに、信仰無き物あさりも禁止された
こうしてモダンにおけるフェニックス系デッキはホガークの道連れとなった。
片手で数えるくらいしか使っていない赤単フェニックスは文字通りお亡くなりになられた。
ただ、この時すでにモダンの青白スピリットを組むための準備を始めていたのだ…いやなんのためにスタンからモダンに移行したのかわからなくなるぐらいのペースで次々とカードに手を出している…エルドレインの発売後までモダンも小休止となった
次回は少し時間を戻ってM20環境のお話。
~続く~
子育てとMTGの記録 ~第五回 灯争大戦~
前回記事は下記を参照
4月になり子供を0歳で保育園に預ける、共働きなら珍しくもない。
妻も職場復帰することになり生活リズムが変化した。
まず平日仕事終わりに夕飯を食べて子供と妻のお風呂を終わらせて19時のイベントに向かうことが困難になった。
妻の仕事終わりと子供の迎えの時間が18時前になってしまうため1時間で全て片付けるのは大変難しい。
離乳食も始まっているため子供にご飯を急かすわけにもいかず、どうしても19時に家を出ることが叶わなかったのだが、お店がいつも19時20分~30分くらいまで気長に受け付けしてくれいていたため、なんとか間に合わせることができていた。
それでもラヴニカの献身環境の終盤ってことで人も少なかったのでまたオフシーズンに入ることにした。
次の環境はそう、みんな大好き灯争大戦だ。
2BOX予約して、シングル予約はボーラスとリリアナを少々にした。
どうせ環境始まればカード買い足すし、爆上がりするのも動向毎日チェックすれば間に合うだろうと。
前回のシングル予約で痛い目を見たので今回は神話レアを少々つまむだけにした。
ボーラスは残念ながら残念なカードだった。
ちなみに控えめにした理由はそれだけではない。
賃貸から一軒家になり、予想外の出費が続いたからである。
今までの賃貸の家賃=住宅ローン程度で考えていたのだが持ち家は遥かに金がかかる。
一番驚いたのは電気代だ。
軽く5~6倍になって目玉飛び出た、いくら育休で日中家にいるとしても。
入居が冬だったのだが、新居は灯油のファンヒーターがNGでエアコンの暖房しか使えないのだ。
それにしたってこんなにかかるもんなのか!?と色々ネットを調べたが大体そんな感じらしく今までの灯油代以上にかかるものがあった。
節電しましょうとかそんなんで変わるか。
内階段のため暖気が2階にあがりやすく、エアコンの設定温度を高めで運転しつづけなければまとも温まらないような作りだったのでこの辺は失敗したなぁと、てゆうか大丈夫ってデザイナーも言ってたんじゃが…工務店は老舗だろうがベンチャーだろうが信用できんな。
ハウスメーカーはその点どうなんだろうか、高いだけの価値はそうゆうとこにあるんじゃなかろうか。
ちなみに翌年以降、リビングと階段の間に大きな暖簾をかけることで事なきを得た。
それでも冬季の電気代は賃貸の3倍くらいかかるし灯油代以上にかかる。
ガスと水道は2割くらい増えたが子供が大きくなればここもいつか倍近くなるだろう。
そして固定資産税もわかっていたけど実際払うと結構な額で出費が重なり口座がスカスカになった。
そんな背景もあってシングル予約を渋ったが、というよりもこの時ほとんどの人たちはシングルよりもとにかくパックを向くことに躍起になっていたのではないだろうか。
そう、日本語限定のイラスト違いPW達である。
最大の目玉、天野リリアナは初動1万円で取引されるカードだ。
光ると10万円。
ナーセット、ニッサのイラスト違いも光ると5万、1万円を超えていたけどリリアナは本当に桁違い。
FOILはともかく絵違いは2分の1くらいの封入率だったので結構あたる。
結論から言えば通常イラストに限り、トップレアが2000円以下で買えるようなパックだった。
恐らく一番高いカードはこのハゲ。
全体的にイラストだけの塩パックだったのかと勘違いしてしまいそうになるが、逆だ。
パワーカード満載だったし、天野リリアナチャレンジで膨大な数剥かれた。
流石にモダンからヴィンテージまで使われるようなハゲ、カーンは高値をキープし続けたが、スタンのパワーカードはワンコイン以下。
環境を定義したこいつも200円くらいで買える。
プレリイベントは必ず絵違いFOILが封入されてるってことだったのでものすごい人気だったのを覚えている。
私も初めてプレリに参加し、最速の深夜プレリにも関わらず大勢でにぎわった。
この頃になると常連の人たちとそこそこ仲良くなったりしていてイベント後にフリプしたりなんだりするようになっていた。
環境としては4色リアニ、バントランプ、スゥルタイミッド、シミックネクサス、シミックランプとにかく青緑が強かたはず。
繁殖池が一番高かったし。
この後しばらく青緑の時代だった。
バントランプで3-0したことは覚えているがこの頃からあまりスタンダードのことを覚えていない。
子供が保育園に行き、急激な成長を遂げるにつれて平日の夕食とお風呂に更に時間がかるようになった。
早く切り上げることもできるが、毎週2回もやっていいもんじゃないし、すぐに風邪菌をもらってくるので思うように出歩けない。
デビューほやほやで浮かれていた時はいざ知らず、半年もたてばスタンダードについていくことがどうゆうことか理解できるようになる。
カジュアル遊びなら同じデッキを少しずついじって1年間遊ぶこともできるかもしれないが、勝ちにこだわるなら環境トップのデッキを握る、そうなれば寿命は次のパック発売日になるだろう。
そして環境初期から終盤まで圧倒的1強を維持し続けることはほぼないし、メタデッキが上がってくるうえにこの時はなかったけど禁止が出る。
自分もコンスタントに勝とうと思ったら環境トップとメタデッキを使い分けなきゃならん。
そして次のパック発売でまた環境が変わる。
スタンは比較的安価と言われるが環境トップを新規で組めば4万円前後するしそうでなくても2~3万かかる。
先見の明があれば別だが日々ネットの情報に踊らされながらバカ正直にカードを買っていたら毎月3万くらいかかった。
パック発売月はもっとかかる。
そしてローテ落ちしたら何千円で購入しようとオリパとストレージ行きのカードを箱単位で抱えることになるのだ。
お前のことだよ
ジェスカイコンでしか使わなかったし戦場に出た回数多分片手で足りるぞ。
いや、これはスタンダードの宿命なのでどうこうするものではないのだが、それでも困るものは困る。
ショックランドは一生使えるからいいがそうでないカードの方が多すぎる、多すぎた買いすぎた。
メタが変われば息を吹き返すかもと売らずに眠らせ続けて価値を失ったカード達も数知れず…
困った…が、救世主が現れた。
そう、モダンホライゾンの発売である。
自分はスタンダードについていくべきではないなと踏ん切りがついた。
次のM20発売後のローテでモダンへ移行しよう。
何も助かっていないけどMTGから離れずにこれ以上損失を増やさないようにするにはこれしかない!
モダホラで新たに台頭してくるデッキでモダン参入しよう!
そう考えて
バイアルを買った…なんで?
モダンやるならバイアルは必須だろ、人間スピリット魚etc...ってことで魚と一緒に買った。
バイアルが4~5000円したけど基本的に高いカードはないので組んでも4万とかしないんじゃなかっただろうか、あと高いの魚じゃなくて綺羅とか外科的摘出のサイドカードだったし。
スタンダードと同じくらいかつ資産価値があるってことで買いだな!!って即決していた。
フリプでしかできないが、私のモダンデビューは魚だった。
とても刺激的だった…と何もわからず殺される。
モダンは死んで覚えるんだと言われた。
モダホラの発売に合わせていつも行くお店が土曜日の夜にモダンイベントを開いてくれるようになった。
よし、準備万端だ
モダホラ発売以降、本格的にモダン参入するのだった。
~続く~
子育てとMTGの記録 ~ 第四回 ラヴニカの献身~
前回記事は下記を参照
ラヴニカのギルド環境が終わりに近づき、平日のスタンダードイベントに人が集まらくなってきたころ、新居の引き渡しと引っ越しが行われた。
年末年始も相まってラヴニカの献身までしばらくMTGオフシーズンとなった。
忘年会シーズンだったこともあり夜遅くなる機会も増えていたから必然的に大人しくならざるを得なかっただけのようだった気もする。
息子も4カ月くらいになって寝ぐずりや夜泣きが増えてきていたので出かけなくて本当によかったのだと思う。
オフに入る前の最後のイベントで3-0できたこともあって特に不満はなかった。
1月に入るとラヴニカの献身のシングル予約がスタート
ラヴニカのギルドの頃と違って環境を考えてカードを選ぶようになっているため、狂ったようにカード予約に走った。
初動で抑えなければ!絶対このカード強い!とか言って片っ端からカードを予約した。
覚えているだろうか、彼らを。
私は当然4枚ずつ予約した
プレビュー期間で毎日新しいカードが発表されるたびに予約商品が追加され、価格も変動していく。
予約段階でトップクラスの値段をつけていたカード達だ。
もったいぶらずに言えば、これらのカードは全てオリパかストレージ行きだ。
落とし子はこの1年後くらいにほんの一瞬だけ息を吹き返す。
落とし子と天使は4000円近い予約価格だった。
3マナ4/4飛行トランプルはさすがにただ強い、1ターン負けない天使はライフゲインまで付いてるこりゃやべぇぜって俺も思った。
両者とも入るデッキがなかったというか、クロックの速さを競う環境ではなかった。
ヘルカイトとドビンは評価が割れていたことからも2000円。
天使はまぁ人気出るカードデザインしてるってことで2000円した記憶。
真の環境トップは予約で1000円くらい、リミテ番長だねXマナでくそでか生物はいはいみたいな雰囲気で誰も気に留めていなかった。
ラヴニカの献身環境スタートと共にイベントへ出かけることも再開した。
早速赤黒アグロでボロカスになって帰ってきた。
そしてまたもや1週間たたずにアリーナで環境が解明され、ハイドロイドが爆上がりした。
出遅れてたまるかと頂点にたどり着く寸前で4枚確保した。
最終的にゴルガリミッドレンジに青を加えたスゥルタイミッドレンジ、白黒4マナのラスを手入れて赤と離縁したハゲを擁するエスパーコン、ミシックチャンピオンになった青単テンポ、荒野の再生で気が狂ったシミックネクサス、ヘルカイトに居場所ができたグルールアグロ
みたいな環境だった。
ミシックチャンピオンシップ決勝の井川プロとオータム氏のエスパーコンvs青単は何度も見返した。
スゥルタイとエスパーとネクサスを組んでいた。
そしていつの間にか当然のようにショックランド各4枚ずつが手元にあった。
そう、とにかく1デッキ余裕で組めるくらいの量を予約しておきながら、結局環境が終わるまでそれらをまともに使うことはなかったのだ。
加えてこの環境2-1を何度か経験したが一度も3-0できなかったのだ。
むしろ負け越して帰ってくることの方が多かった。
悔しさのあまりアリーナで同じデッキを組んでイベントに出る前はそれを練習した。なのでアリーナでもそれなりの課金をした。
なのに勝てない。
フラストレーションが溜まる。
とにかくアリーナで練習だ、としたいところなのだがプレイ中に息子の夜泣きが起こる。
抱っこ片手にプレイできればいいのだが、その程度のあやしで泣き止んでくれるほど軟な相手ではなかった。
もちろん自分が家にいる日は妻に自由な時間を過ごしていただきたいので代ってもらうなどもっての外。
ほぼ詰ませているような盤面でもそれなりに操作が発生する、そうなればもうサレンダーするしかない。
紙で負け越してナーバスになっていた自分はこんな些細なことで頭を沸騰させていた。
なんで今泣くんだよ!!抱っこしてんるだから早く泣き止めよ!わけがわかんねぇよ!って声を大にはしないが息子にキレ散らかしながらあやしていたゴメンよ。
その後も泣き止まず結局授乳で寝落ちさせたりとかよくあることだった。
その事実もまたイライラを募らせる。
自分がやっても意味ないじゃん、初めから妻じゃなきゃだめじゃないか。
と、絶対口に出してはいけない。
私は出していないしっかり飲み込んだ。
息抜きのための趣味、遊びが逆にストレスになって家事育児にまで悪影響を与える。
それでもMTGを離れるわけにいかなかったのは引くに引けないこの状況。
手元にあるカードを全部売りさばければよかったのかもしれないが、負債が大きすぎる
、予約で買ったカードになんの価値もなくなっていたからだ。
ひと思いにやめることができなくなっていた。
MTGで負ったフラストレーションはMTGでしか晴らせない、その後も環境末期まで何度もイベントに通い、2-1の日は溜飲をおろし、負け越した日は吐き気に襲われる。
フラストレーションの一番の原因は金をかけすぎたこと、格安デッキとかで遊んでいれば負けの言い訳もたつし、やめることができたのだろうなと今でも思う。
コレクションがしたくてやってるんじゃないんだ、勝たなきゃここまで金かけた自分がただの馬鹿になるじゃないか。
4月になって息子を保育園に預けることとなった。
妻の育休も終わり色々環境が変わり始めるころ、灯争大戦に向けて私のMTGもオフシーズンを迎えるのであった。
~続く~
子育てとMTGの記録 ~第三回 ラヴニカのギルド②~
前回は下記を参照
ボロスカラーで辛くも1勝をあげ、一旦溜飲を下げるも次に出てきた欲望は
勝ちたい
え、1勝できたではないか、よかったじゃないか。
ではなかった、真に厄介な性格なのだ。
ボロスでの1勝はあくまでFNMの赤単ゴブリンで全敗した悔しさを洗い流すもの、次の勝ちたいは、もう本当に、ただ楽しくて勝利の喜びで自分を満たしたいそれだけ。
とにかくこの頃おかしかった頭が。
私は仕事、妻は育児休暇、仕事に影響が出ないように夜12時以降は寝てていいと妻に助けていただいていた。
それでもぐっすり眠るなんてことはできず、泣き声がすれば一緒に目を覚まし、うんちの横漏れやゲロの処理が発生すれば奮闘することも少なくなかった。
まともに眠れない日々が続くってものすごいストレス。
常に頭がもやもやするし家にいるより職場にいる方が気が楽だったりする。
家では妻に自由時間を提供すると言っても妻側も毎日そこまでしなくていいよゲームでもしてていいよって気使ってくれたりしたけど、なんだか意地になってしまったりして本当にダメな時期だった。
MTGで勝ちたい、MTGをしたい、イベント行かない日は他の事なんでもやるからとにかくMTG行かせてくれ!って
ここまでくると勝つことにしか興味がなくなる、じゃないと時間もお金もなんもかんもが無駄だったことを証明してしまうから。
しかも時間はMTGの練習にかけた時間ではなくて、MTGをやるために家事育児等を詰め込んだ時間。
後悔はお金と時間をかけるほどに膨らんでいく。
ギャンブルと変わらん引くに引けない状況。
余談だが、先日SNSで見かけたMTG界隈で名のある人の投稿で
「引くに引けなくなってMTG続けるしかなくなったおじ達はどれくらいの割合でいるのだろうかアンケートとってみたい」的な内容。
下環境向けのカードの値段がどうとかこうとかで界隈がざわついていた時のアレだったので皮肉も込めているんだろうなって思った。
でもこの投稿を見て、かつての自分と金額的には比べもんにならないけど、それでもその時の生活基準考えたら引くに引けないくらい金を費やしている。
一ヶ月で使う金額ではない。
ボロスで参戦した翌週、ゴルガリミッドレンジで平日イベントに参加している自分がいた。
なんでそうなるの?
実はこの時、ラヴニカのギルド発売に先駆けMTGアリーナのベータ版がリリースされており、ベータと言えど後の製品版となんら変わらない対戦が行える環境にあった。
そう、発売1週間後と言えど環境の解明はものすごい速さで進んでいたのだ。
ゴルガリミッドレンジが板
マナクリから探検クリーチャーでクロックも馬鹿にならんしライフゲインの量がすごいやつおるしでとにかくミッドレンジとして隙がなかった。
4マナのヴラスカ、5マナのビビアン、6マナのヴラスカとPWの質も高かったしお値段も高かった。
でも勝ちきれなかった、ミッドレンジデッキってなんだかんだで一番難しいと思う。
戦績は1-2だった。
そしてその週のFNMでは…このハゲを使っていた。
ジェスカイコントロールだ。
ただしハゲは2枚だけと不完全な形で。
そらそうよ無理があるでしょうが…0-3だった。
妥協したからだ。
それから約一カ月、ゴルガリミッドレンジとジェスカイコンを順番に使い分け、その時の主流の形に併せて追加で殺戮の暴君やビビアン、ハゲを買い増したりメタに合わせて
なんやかんや散財した。
1-2だったり0-3を繰り返す日々だったがこの一カ月で3-0を達成することがあった。
ジェスカイコンで全勝できたのだ。
初めてこの時達成感に包まれた。
当時のざっくりの記憶だが、主要パーツだけで
【ゴルガリ】
レインジャー:2000円
破滅を囁く者:2000円
殺戮の暴君:2000円
ビビアン:3000円
ヴラスカ:3000円
【ジェスカイコン】
セトル:2000円
ライラ:3000円
再燃するやつ:4000円
ハゲ:5000円
くらいだった気が、もちろんショックランドは4積なのでジェスカイコンは蒸気孔と鋳造所で8枚体制だ
3-0するまでこれだけ費やした、もちろん妻に内緒で。
カードが毎日のように郵送されてくるから隠すことなどできないのだが値段については一切聞かれなかった。
買いすぎだろと言われることはあっても常識の範囲で遊んでいるのだと思いますからあまりうるさく言いませんよと。
泣くしかない。
週2回と言えど夜に3時間も家をあけて育児を押し付けるのだ、昼間の育児で疲弊しているであろうに…仕事している自分がどれだけ昼間楽している事か。
ただこの頃、子供が2カ月になったくらいであろうか、イベントに行ってる間の時間、落ち着いて寝ていることが多くなって以前ほど苦労することが減っていた模様。
だからか、育児に関する罪悪感がほとんどなくなってイベントに行くことへの申し訳なさは薄れていた。
ただ、黙って散財していることがいつまでも後ろめたかったのだが、やめられないのである。
勝利の飢えが満たされてようやく楽しみ始めることができるようになってきたのだ、負けてもやめられないが勝ってもやめられないのである。
ギャンブル依存と根本が一緒。
ゴルガリミッドレンジ、ジェスカイコン、イゼットフェニックスが環境上位ですぐ下に白単、赤単あたりが待ち構えているとても良い環境だった。
モダンでもイゼットフェニックスが環境トップにいた時期なのでフェニックスも4000円くらいしたはず、流石に買わなかった。
だが家でも練習だとか言ってアリーナ課金も始めて紙と同じデッキを組んで回したりしていた。
どこからそんな金が沸いて出てくるのか知らんが、そのあとも1、2回くらい3-0できてとてもいい気分だった。
そんなこんなでラヴニカのギルド環境も終盤に差し掛かるころ、新居の引き渡しと引っ越しが行われた。
環境の終わりが近づくとスタンダードのイベント参加人数もグッと少なくなる。
20人超えだった平日夜のイベントも4人しか集まらないとかザラ。
むしろイベント横目に集まった人でモダンのフリプ始めるとかそんな感じだった。
自分も新居の片付けとか年末年始ってこともあって次の環境までオフシーズンに入ることにした。
次はラヴニカの献身環境
ここでもまた、馬鹿なことをする。
~続く~